DeNAが「お化け封じ」に成功し、ソフトバンク先発の千賀を攻略した。WBCで名を売った“お化けフォーク”にどう対応するかが焦点。ラミレス監督は「リーグを代表するピッチャー。フォークは難しい」と認め、試合前から策を練っていた。「ファーストストライクから積極的に打つ」という基本方針に「いかにフォークを振らないか。強いメンタルが重要」と我慢も加えた。全体、個別と丁寧なミーティングを行い、一丸で直球を狙った。

 放った7安打のうち、実に6本が直球を仕留めたもの。「フォークには手を出さない」というハッキリした指示があったからこそ、6回の逆転は生まれた。

 序盤で直球を狙う作戦を察知したソフトバンクバッテリーは、フォークから入り、直球で抑える配球に切り替えてきた。ラミレス監督は「千賀のスマートさを感じた。直球主体から変えてきた」と驚いた。しかしDeNAの面々は、その上をいった。4番の筒香が歩かされ2死一、二塁。続く宮崎が、1球も振らずに四球を選んでつないだ。「ベルトから下に落ちる。まさに“お化け”ですよ」と言いつつ「打ちにいって、見逃すことができた」。頭の中が整理できていたからバットが止まり、戸柱にお膳立てできた。

 直球を決勝打した戸柱は「あんなにいいピッチャー、2つは待てない。ベンチで監督が『積極的に振ろう』と言ってくれる」と感謝した。ベンチが分かりやすいアシストをしてくれる。だから大物も崩せる。DeNAに大型連敗がない理由だ。【宮下敬至】