“柳対決”を制して3勝目だ。阪神先発青柳晃洋投手(23)が、強力ソフトバンク打線を5回1失点に抑えた。勝因は4試合連続決勝打&21試合連続安打中だった柳田悠岐外野手(28)封じだ。初回のピンチで空振り三振を奪うなど打線を分断。高橋ら救援陣も抑えて連続安打記録も途切れさせた。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(47)は内角攻めが勝利のポイントと指摘。今日11日の3戦目も柳田封じで勝機を見いだす。

 青柳は絶好調男との我慢比べに負けなかった。1回1死一塁。4試合連続V打点を挙げ、21試合連続安打中の柳田を迎えた。2球で簡単に追い込んだが、4球目に一塁走者今宮にモーションを盗まれ、二塁進塁を許した。「今宮さんに打たれるより、盗塁をされて悪い形を作ってしまった」。だが瞬時に切り替え、厳しいコースを突いた。柳田もカットで応戦。両者のにらみ合いが続いた9球目だった。外角シュートで空振り。軍配は青柳に上がった。

 青柳 (盗塁の後は)バッターに集中しました。運良く抑えることができてよかったです。

 4回は遊直に抑え、この日は2打数無安打。5回1失点でマウンドを降りた。リリーフ陣も奮闘し、柳田の連続試合安打をストップさせて打線の分断に成功。青柳の柳田斬りもあっぱれだったが与四球1も光る。ただ本人は不満顔だった。

 青柳 本当はもっと長いイニングを投げないといけない。僕の中ではいけると思ったんですが、ボールが弱くなっていた。

 スタミナ切れに悔しさをにじませた。金本監督も同様に指摘した。「ソフトバンクが相手だからかどうか分からないけど、100球いってないのに一気に(球威が)落ちたから。それも経験として、打線が強いチームに投げる時も最低6イニングはね。できれば7、8といけるように精神的なスタミナっていうかね」。もちろんすべては、高い期待の裏返しだ。

 実家は横浜市にある。女手ひとつで育ててくれた母利香さんは、遠方までなかなか駆けつけることができない。そこで活躍する姿をいつでも見てもらえるように、オフに録画機能付きの大型テレビをプレゼントした。青柳本人名義でCSチャンネルにも加入。ホームでもビジターでも視聴可能な環境を作った。感謝の心は絶対に忘れない。チームのため、母のため、右腕を振り続ける。【山川智之】