日本ハムは今日14日にも自力優勝の可能性が消滅することになった。13日の中日1回戦(ナゴヤドーム)に打ち負けた。初回にブランドン・レアード内野手(29)の16号3ランで先制、中田翔内野手(28)も5回に一時勝ち越しの6号ソロを放った。3、4番がそろい踏みも、同点で迎えた7回1死一、三塁から、その中田、レアードが凡退。8回に決勝点を奪われ、連勝は2でストップした。首位楽天とは今季最大16ゲーム差に開いた。

 勝利の女神を振り向かせられなかった。同点で迎えた7回1死一、三塁。打席には、すでに猛打賞の3番中田だったが、フルカウントから内角直球に手が出なかった。見逃し三振に終わると、初回に先制16号3ランのレアードも捕邪飛。試合の流れを失った。中田は、嘆いた。「3番、4番で決めきれなかったのは正直悔しい。あそこで1点でも取れれば、流れも変わった。あそこに尽きるね」。打ち合いをものにできなかった責任を背負った。

 波に乗りきれない。今季を象徴するような、試合展開だった。初回の3点リードも2回までに吐き出し、5回に勝ち越した1点も中継ぎ陣が守りきれない。投打の歯車がかみ合わないまま、最後は押し切られた。栗山監督は「チャンスのところで…もちろんそうなんだけど、我慢しきれなかったのもある。監督のせいやな」と、もどかしい胸の内を吐露。前カードに勝ち越した勢いもつなげられず、試合後の三塁側ベンチは重たい空気が漂った。

 今日14日も中日戦に敗れ、楽天が勝利すれば、残り83試合を残して自力優勝の可能性が消滅する。3試合連続で3番起用された中田は10試合ぶりの本塁打、今季3度目の猛打賞にも「良かったですけど、自分のことはいいです」と、苦しいチーム状況の打破しか頭にない。昨季マークした球団新の15連勝の起点となったナゴヤドームで、連覇を狙う王者がこのまま終わるわけにはいかない。【木下大輔】