ついに「オコエ劇場」の幕開けだ! 日本ハム戦で今季初先発したオコエが、2安打1盗塁で躍動した。1回に初球を逆方向の右前に運ぶと、5回にはまたも初球を左に引っ張った。「2軍に上がって思うようにいかないと思ったけど、うまくいった。いい感じ。悪くない、感覚はいい」。前日16日に代打で2軍初出場。2試合で7打数3安打3盗塁と暴れまくり、本来の輝きを取り戻し始めた。

 飛躍を誓った2年目は出遅れた。1軍キャンプ3日目に右手薬指付け根付近の靱帯(じんたい)損傷が判明し、4月途中までリハビリにあてた。完治後は育成試合で実戦感覚を磨いた。「1回どん底に落ちた。落ちるところまで落ちたのは事実。あとは上がるしかない。これを乗り越えればチャンスはある」。1軍が首位をひた走る中、振り込みと筋力トレーニングで汗を流した。

 昨年は高卒1年目ながら51試合に出場し22安打を放った。今年は故障に苦しんだが、焦りはなかった。「去年はほぼ育成で1軍に上げてもらっていただけ。今年は育成で上がれるとは思ってない。守備と足をアピールしたい。結果を残さないといけない」。栗原健太2軍打撃コーチからも「今の1軍は右打者が少ない。あきらめず頑張れ」とハッパをかけられていた。好調の本隊に、明るい人気者オコエが参戦する日が待ち遠しい。【高橋洋平】