巨人のルーキーが、苦境にあえぐチームに新風を吹かせる。ドラフト2位の畠世周(はたけ・せいしゅう)投手(23)が、6日の広島戦(マツダスタジアム)でプロ初先発の予定。3日はジャイアンツ球場で行われた1軍先発投手の練習に合流し、田口、菅野、山口俊と汗を流した。巨人の新人のプロ初先発初勝利なら15年の高木勇以来。畠は「もし投げるなら思い切って投げたい」と意気込んだ。

 186センチの長身から投げ込む150キロ超の速球が武器だ。昨年11月に右肘遊離軟骨の除去手術を受けたが、順調に回復。2軍戦初登板となった4月30日の阪神戦で最速152キロをマーク。6月23日には1軍首脳陣にブルペン投球を披露してアピールに成功し、今回の先発機会をたぐり寄せた。

 しかも、念願のデビュー戦は故郷の広島で迎えることになりそうだ。少年時代、テレビをつければ広島戦。佐々岡、黒田、大竹寛らの好投に目を輝かせた。「1軍で投げるのは小さい頃からの夢だった。その1歩目がかないそうなところにいる。(相手を)考えている余裕はない。持っているものを全て出したい」と、無我夢中で腕を振る覚悟を示した。【浜本卓也】