米国の市民権取得のため渡米している中日ダヤン・ビシエド外野手(28)が、17日の後半戦開幕に間に合わない可能性が高いことが9日、判明した。申請書類を提出しているが、審査待ちの状態が続いている。西山和夫球団代表は「待つしかない。(球宴)明けはすぐ(出場)は厳しいかもしれない」と明かした。

 交流戦期間中の6月16日に渡米。当初はリーグ戦が再開する同23日までに再来日予定だったが、大幅に長引いている。ビシエドより4、5日前に申請していたアナイ・モリーナ夫人は、この日までに審査を通過。あとはビシエド本人の結果を待つのみだという。進展はあったが、再合流の見通しは立っていない。

 17日の後半戦開幕(巨人戦)には約1週間と時間はある。しかし、西山代表は「下(2軍)で試合に出るのかどうするのか。向こう(米国)で動いているから体がなまっているわけではないけど、長旅の疲れもある」と説明。再来日しても、1軍の試合出場には調整時間が必要となりそうだ。

 4番不在が続くチームはこの日、DeNAに完敗。企画ユニホームが配られる「昇竜デー」で今季最多の3万6564人を動員したが、ナゴヤドームはため息に包まれた。チームは23イニング連続で適時打がなく、得点力不足に泣き2連敗。森監督は「ビシエド、平田という名前も出るんだろうけど。いないものはしょうがない」とぼやいた。

 ビシエド不在のチーム成績は11勝7敗だが、内実は投手陣が踏ん張り、僅差の接戦を制したケースが多い。投手陣を助けるため、得点力アップへ、ビシエドの1日も早い復帰が待たれるが、これで3位DeNAとのゲーム差は4に拡大。5年ぶりのAクラス入りに試練が続く。【宮崎えり子】