球団史上初めて借金30で前半戦を終えた。CS圏内の3位西武とは19・5ゲーム差。モチベーション維持が難しくなっているが、プロとして現実から逃げるわけにはいかない。監督の口調は、自然と熱を帯びた。

 浮上の目を引き寄せるキーワードは“全員一丸”だ。球宴に出た鈴木、田村、二木も練習に参加。12球団で唯一、オールスター組も含めた1軍全員で体を動かした。何とかしたい思いは、スタッフも同じだった。この日の練習前、打撃投手、ブルペン捕手、マネジャー、広報らが監督室のドアをノック。指揮官に、銀色に光るミットを贈った。スタッフ一同27人から、殿堂入りのプレゼントだった。思わぬことに、伊東監督は「最近、沈んでいたけど、心が洗われたよ。裏方さんも含め、みんなで戦っている」と胸を熱くした。

 キャプテンの鈴木は「僕たちは個々の力で勝負できるチームじゃない。これからは、1つになって戦うことが、より大事になる」と熱っぽく言った。残り62試合。ロッテらしさを取り戻す。【古川真弥】