外国人コンビのアベックアーチで、貯金を球団新記録の「28」とした。楽天ジャフェット・アマダー内野手(30)が、8回に貴重な9号ソロを放った。ゼラス・ウィーラー内野手(30)も2回に先制の20号ソロをマークするなど、プライベートでも仲の良い2人が試合を決めた。チームは今季初の6連勝で、日本一となった13年の貯金「27」を超えた。

 仏頂面のアマダーが、笑った。「ウィーラーは一番仲のいい選手。彼も打っている中で、自分も1発が出て良かった。うれしいよ」と言った。2点リードの8回先頭、3ボールからの4球目を迷わず振り切った。「直球がストライクゾーンに来たら、打つと決めていた」。高めの147キロ直球に腰をグッと落とし、豪快なスイングで左翼スタンドまで運んだ。

 仲間の1発に刺激を受けた。2回先頭で、ウィーラーが左翼スタンドに2年連続の20号先制ソロをマークした。2人は普段からじゃれ合う仲。スペイン語が母国語のアマダーと、英語が主流のウィーラーだが、一緒にタクシーに同乗するなど常に行動をともにする。そんな親友の1発で、アマダーの闘志に火が付いた。3打席連続で凡退し、迎えた第4打席で9号ソロと最後に結果を残した。もう1人の助っ人外国人・ペゲーロの4戦連発はかなわなかったが、178センチのウィーラーと193センチのアマダーのでこぼこコンビが、存在感を示した。

 スタンドのファンも北海道ならでは? の声援で後押しした。6回の攻撃時には、先頭のウィーラーが二塁打を放つと次打者・銀次の打席で、駒大や駒大苫小牧がチャンス時に使う「駒大コンバット」という応援歌が流れた。駒大苫小牧出身のヤンキース田中が、楽天に在籍していた際にも時折使われた。得点にこそつながらなかったが、夏の高校野球・南北海道大会の1回戦で同校が勝利したこの日に、札幌ドームにも流れた。

 先発岸も7回1安打無失点の好投と投打がガッチリかみ合い、今季初の6連勝とした。貯金は日本一となった13年の「27」を抜き、球団新記録となる「28」に伸ばした。後半戦も勢いそのままに、突っ走る。【栗田尚樹】