試合展開、ベンチの雰囲気に自分の気持ちを乗せた。2打席目までは、両サイドを丁寧に突く金子の投球に「正直、打てる球ねぇなぁ」と翻弄(ほんろう)されていた。その負の感情が消え去ったのが7回だ。ウィーラーの適時打で1点差に詰め寄ると、ベンチの熱気はより一層高まる。「雰囲気がすごく良かった。みんな『いけるんじゃないか』と思っていたから、自分もそういう気持ちになった」。前向きな姿勢が、8回の第3打席で価値ある1発を生み出した。

 今週から7週連続で6連戦が待っている。岡島にとっても、夏は乗り越えなければならない試練だ。7月の打率は現時点で2割2分2厘。昨季も序盤は好調だったが、7月の打率は1割3分6厘と不振に陥った。「どうしてもしんどくなってしまう。疲労を極力ためず、調子を維持できるかを考えるようになった」。少しでも筋肉に張りが出たらトレーナーにマッサージを受けに行くなど、自分の体との対話を大事にする。

 岡島の1発で息を吹き返した打線は、延長10回、島内の適時打で今季2度目のサヨナラ勝ちを決めた。劇的な勝利に、梨田監督は「昨日(20日の日本ハム戦)は敵地でサヨナラ負けだったが、今日は本拠地でサヨナラ。移動ゲームで選手も疲れている中、よくやってくれた」とチームをねぎらった。2位ソフトバンクとのゲーム差は0・5。相手が常に背後から追ってこようとも勝ち続け、突き放す。【田口元義】