クライマックス・シリーズ(CS)進出どころか、最下位の足音が迫ってきた。日本ハムは今季8度目の3連敗を喫した。2-2で迎えた5回に、2番手で登板した鍵谷が2本の3点本塁打を浴びた。打線は12安打を放つも決定打を欠き、3位西武には8連敗となった。借金も今季ワーストを更新する「24」となり、6位ロッテに2・5ゲーム差に詰められた。

 日本ハムが力なく、この日も寄り切られた。同点の5回無死一、二塁。2番手の鍵谷が西武打線の勢いにのみ込まれた。まずは秋山に勝ち越しの18号3ランを献上。さらに2死一、二塁とされ、栗山にも5号3ランを浴びた。守備の名手、中島の手痛い失策も絡んだ1イニング6失点で、試合は決した。打線は12安打で2点だけ。栗山監督は「自分たちの野球をしっかりやらなくちゃ」と言った。投打がかみ合わない、今季を象徴する負け方だった。

 収穫は、経験の少ない若手の躍動だ。2年目左腕上原はプロ初先発で初黒星を喫したが、気持ちのこもった投球を見せた。プロ初スタメン出場した太田は、4回に投手強襲の適時内野安打で初安打&初打点をマーク。6回にも中前打を放った。ともに、1軍定着へ必死にアピールする立場。栗山監督も「姿は良かった。ウチは今、ああいう姿で野球をやるしかない」と言う。敗戦の中で見せた2人の戦う姿は希望の光だ。

 ただ、現実は厳しい。7月の大失速で、6位ロッテにも2・5ゲーム差に詰め寄られた。上位浮上どころか、5月以来の最下位転落の危機も迫っている。明日25日から釧路と帯広で、そのロッテと2連戦が控える。栗山監督は「みんなで何とかするしかない」と、語気を強めた。試合後、痛恨の2被弾を浴び、6回に左ふくらはぎに打球が直撃した鍵谷の2軍再調整が決まった。戦力を整え直し、道内地方球場から出直す。【木下大輔】