ソフトバンクが延長の熱闘の末、西武の連勝を13でストップさせた。10回2死三塁で松田宣浩内野手(34)が中前へ勝ち越しの適時打を放ち、なんとか逃げ切った。7回まで6点をリードしていながら、8、9回の失点で追いつかれる苦しいゲームを制し、チームは再び貯金を今季最多の31とした。

 午後10時を過ぎ、鳴り物応援がなくなった中、松田が満員のレオ党を黙らせた。延長10回、2死三塁から西武の守護神増田の154キロ直球をライナーで中前へはじき返した。「球が速いんでコンパクトに打ち返すだけ。試合前のミーティングでも西武の大型連勝を止めるのはホークスだと話していた。追いつかれて負けるのとでは大違い。今日の勝利はめちゃめちゃうれしい」と笑った。4時間16分の激闘を最後まで見守った右翼席の鷹党に向かって、こん身の「熱男」ポーズ。2度拳を突き上げた。

 落とせない試合だった。救援陣の疲れが、ハッキリと得点経過に表れた。先発千賀が7回1失点で勢いに乗る西武打線を食い止め、6点リード。8回から逃げ切りの継投に入ったが、8回に岩崎が2点を失い、9回は嘉弥真がつかまり、無死満塁から慌ててサファテを投入したが4点差を追いつかれた。負ければ、たとえ引き分けでも、後味の悪さが尾を引くところ。松田の一打に、みんなが救われた。

 楽天が勝っていたため、この試合を落とせばマイナス0・5ゲーム差で首位から陥落するところだった。工藤監督は「今日のような試合はしたくない。いい試合でいい勝ち方をして9連戦を締めくくりたい」と、笑った。首位の底力で今日6日も西武の勢いをはね返す。【石橋隆雄】