同期入団、同学年の枡田のユニホームをあえて着用した。ビショビショ…だけが、理由ではない。4時間24分という過酷な試合。足立、細川の捕手を除けば、枡田1人が野手で出番がなかった。銀次と枡田は05年高校生ドラフト3、4巡目コンビで、ともに左打ち。銀次は「もちろん、慎太郎も試合に出たいのは当たり前。僕も一緒に出たい。そう思いながらユニホームを着ていました」と、しみじみ語った。枡田は「俺は試合に出ていないし、汚れていないからさ」と言ったが、その顔は笑っていた。

 銀次は2-3の7回2死三塁でも中前へ同点打を放っていた。9回にも右前打をマークし、約1カ月ぶりの3安打猛打賞と枡田から言われた「2番」としての務めを果たした。「最後は自分が決めるつもりだった。でも、打席では思ったよりも冷静になれた。これが経験だと思う」と胸を張った。

 今度は2人でお立ち台に上がりたい-。銀次は「最近は2人で、ご飯に行けていないんですけど。新人のころとか、よくラーメン食いに行ってましたね。しょうゆ味か、忘れてしまったけど、また2人で食いに行きたい。懐かしいですね」。今年で30歳を迎える男の熱い友情が垣間見えた。【栗田尚樹】