鋭い弾道のまま、右中間フェンスを直撃した。日本ハム大谷翔平投手(23)が6回2死一塁の場面で、3打席連続適時打となる二塁打を放ち、今季初の1試合3打点を記録した。5戦連続複数安打となり、8月の月間打率も12球団トップ(4割4分2厘)に浮上。「最後は甘いところにきたので、よかったです。(状態は)ちょっとずつよくなっていると思います」。2カード連続勝ち越しとなったチームを引っ張っている。

 学年は1つ上の上原が、5回無失点でプロ初勝利。「テンポが悪かったので、(点を)取れてよかった」と冗談交じりに皮肉を言ったが、点差を広げる3回の右前適時打、5回の中前適時打は、言葉以上に心強い援護になった。

 「二刀流」完全復活の日も近い。試合前にはブルペンで58球を投げた。「先発に向けて、しっかり投げられればいいと思います」。強度はすでに全力に近い状態。今後のコンディションに問題がなければ、今月31日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で投手として復帰する可能性が高まった。

 3連戦すべてをスタンドで観戦した初来日のドジャース・フリードマン編成部門取締役は、選手の個人名を挙げることはしなかったが「たくさんの才能、能力のある選手がいることがわかった」。現在は前田、ダルビッシュが在籍しており、「ロサンゼルスは日系人も長年住んでおり、歓迎の雰囲気が街全体にある。日本語を話せるスタッフも多い」と、“アピール”は忘れなかった。連覇、CS出場は厳しい状況だが、大谷のプレーは、周囲の目を引きつけている。【本間翼】