最悪の立ち上がり。抜群の安定感を誇る先発ウィーランドが2回まで5失点の大乱調。想定外のビハインドだったが、そんな負け展開を超えて、4時間7分のドラマが待っていた。1点差まで追い上げた9回。4番ロペスが同点アーチを放った。前夜、史上初の「3連発サヨナラ勝利」に続く2夜連続同点弾。試合前から劇的勝利の余韻が漂う横浜スタジアムでは、点差なんて関係なかった。

 イケイケムードが漂う試合前、唯一の不安要素が梶谷だった。8月の打率は試合前で1割8分9厘と2割を切った。例年、試合を追うごとに体重が激減し、ラミレス監督も「疲れているようだ。1試合休ませていいかもしれない」と懸念していた。実際に開幕前の92キロから今は81キロ。それでも食が細くなることを心配した同い年の親友・宮崎からもらったチャーハンをナイターの後、家で食べて減少を抑えていた。「夕べも10時間くらい寝たし、疲れは感じていない」と指揮官の不安も払拭(ふっしょく)した。

 首位広島に2連勝で、目指すは今季初めてのホームでの3連勝。勝てば2位阪神の背中も一気に近づく。「明日ホームで3タテできればいいね」と同監督。そんな期待感が充満するハマスタ劇場で、今日もカープを迎え撃つ。【栗田成芳】