DeNAがメモリアル弾で、巨人と同率3位に並んだ。嶺井博希捕手(26)が1点リードの8回、左中間席へ球団通算7500号となるダメ押しソロを放った。お立ち台では「今までの方々が積み重ねてくれたからです。うれしかったで~す!」と雄たけびを上げた。守っても4投手を好リード。クライマックスシリーズ(CS)に望みをつなぐ大きな1勝に貢献した。

 試合前に特別なアドバイスが注入された。開始直前のベンチ裏。球団スペシャルアドバイザーの三浦大輔氏がたまたま通りかかると、筒香主将から「声だし」をなかば強引に? お願いされた。後輩たちのためにひと肌脱ぎ、「昨年のCSで味わったうれしさ、悔しさを忘れずに、残りの試合頑張ってください!」。しばし沈黙の後「さあ、行こうっ!」と大号令をあげた。

 “番長”の言葉に奮い立たないわけがない。2-2の7回。無死一塁で倉本がバントを2球連続失敗。追い込まれて「打て」に切り替わると、左中間を割る勝ち越しタイムリーを放った。番長の声だしに「気合が入りました」とバットで応えた。

 9月に入って打線は急降下をたどっていた。8月は2割9分3厘だったチーム得点圏打率が、9月は2割を切る。この日も4得点すべて得点圏外から生まれた。それでも巨人とのAクラス争いに踏みとどまり、依然として残る課題は、残り10試合の伸びしろでもある。次戦まで中4日。ラミレス監督は「充電期間にあてられる」と歓迎した。勝負どころはこれからだ。【栗田成芳】