出てこい若虎! 阪神金本知憲監督(49)が、5日からの中日2連戦(甲子園)で2年目の竹安大知投手(23)とルーキー才木浩人投手(18)を1軍デビューさせる方針を明かした。指揮官がシーズン中、鳴尾浜に視察に訪れるほど将来を嘱望されている、ともにドラフト3位入団の右腕。経験を積ませ、来季以降の飛躍のきっかけにする。

 残った2試合を有効に活用する。CSに向けた調整に充てるだけでなく、若手の成長の足がかりにもする。金本監督が口にしたのは、2年目竹安とルーキー才木の両ドラフト3位右腕の名前。伸び盛りの今こそチャンスを与え、来季以降に投資する方針だ。

 金本監督 マテオを抹消か。あと誰だったかな。若いピッチャーを機会があれば、出したい。才木とか竹安とか。

 5、6日の中日戦について問われ、期待を込めた。ともに1軍経験はないが、指揮官はこの2人を目当てに忙しい合間を縫って鳴尾浜まで足を運んだこともある。それほどの素材が、1軍でどんな投球をしてくれるのか。順位は決定していても楽しみな2試合になる。

 竹安は今年1月の合同自主トレのブルペンで金本監督のチェックを受けた。「いいボール、投げていたね! 楽しみ、楽しみ。キレイなフォームでシンプルに」。ドラフト前年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、1年目は登板6試合にとどまった。今季は1軍昇格こそなかったが、幾度となく候補に挙げられていた。チャンスを前に竹安は「今までやってきたことを出して、打たれたら来年以降どういったことをやらないといけないのかが分かる。オフに明確な目標ができると思う」と目を輝かせた。

 才木は兵庫・須磨翔風から入団した高卒ルーキーで、4月に視察した指揮官は「近鉄にいた大塚(晶文)みたい。いきなり150キロ出すのは大したもんや」と上機嫌だった。ストレートの伸びも増し、評価を上げた。才木は「自分の投球をしたいです。(甲子園は)すごく投げやすくて好きです。任されたイニングをしっかり投げたい」と気合を入れた。

 昨年は最終戦に望月が登板した。そして今年は2人がマウンドに上がる。未来の投手王国へ。期待の膨らむデビュー戦になる。【山川智之】

 ◆才木浩人(さいき・ひろと)1998年(平10)11月7日生まれ、神戸市出身。須磨翔風では2年春からエース。甲子園出場はなし。手足が長く、最速150キロの直球を投げ込む本格派右腕で「藤浪2世」の異名も取った。16年ドラフト3位。188センチ、79キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸600万円。

 ◆竹安大知(たけやす・だいち)1994年(平6)9月27日、埼玉県生まれ、静岡県育ち。小1時に富戸ジュニアで野球を始める。二松学舎大付から1年夏に伊東商に転校。13年から熊本ゴールデンラークスでプレー。15年ドラフト3位。183センチ、80キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸840万円。