金本阪神がCSで相性最優先ローテを組む可能性が4日、浮上した。14日開幕のDeNAとのファーストステージ(甲子園)では、初戦のメッセンジャーから能見、岩貞と好相性の2人を並べ、12勝の勝ち頭秋山をあえて広島とのファイナルステージ(マツダスタジアム)に回すプラン。CSを突破しての下克上日本一へ、最善策を選択する。

 CS突破へ、相手が嫌がる投手を並べるに越したことはない。虎がDeNAとのCSファーストステージで2戦目に能見、3戦目に岩貞の両左腕を投入するプランを温めていることが判明した。

 当初は、右足腓骨(ひこつ)骨折からの復帰にメドが立ったメッセンジャーを初戦に立てた後、2戦目は今季12勝を挙げている秋山の起用が有力視されていた。ただ、相性の点では能見、岩貞に分があることから、秋山を広島とのファイナルステージに回すぜいたくなローテが浮上した。

 金本監督は前日3日、CSでの先発投手起用について「もちろん、それ(相性)を見ながらやる。ボコボコに打たれたのに、投げさせる必要はない」と見通していた。新たに判明したプランは、その言葉通りのモノといえる。

 能見は今季DeNA戦に3試合先発し、1勝0敗で防御率2・14。9月28日の横浜スタジアムでは2失点完投勝利を挙げている。岩貞は2戦2敗ながら防御率1・93の安定感だ。一方、秋山は4試合先発で2勝1敗だが、防御率は5・48。9月27日の敵地でも4回4失点降板している。今季の先発ローテを支えた秋山に厚い信頼を置きながらも、相性を最優先すれば、両左腕の起用に行き着く。

 ファーストステージを突破すれば、広島とのファイナルステージ初戦は岩田の抜てきが有力だ。他の先発投手が強力打線に軒並み苦戦する中、9月6日にはCSの舞台となるマツダスタジアムで6回1/3を無失点。現状、広島に最も嫌なイメージを植えつけている投手といえる。そして、重圧のかかる2戦目に満を持して秋山をすえれば、厚みのあるローテを作ることができる。

 もちろん、6日の中日戦に先発するメッセンジャーの回復状況、フェニックスリーグで登板する先発陣の状態次第で、新たなプランが浮上する可能性もある。ただ、CS突破、下克上日本一を目指す上で「超相性優先ローテ」には、十分な魅力がある。