仙台大は4-0で東北福祉大に先勝し、2位以下を最終勝率で上回り、2季ぶり6度目の優勝を決めた。

 4年生2枚エースの一翼になる岩佐政也(柴田)が3安打完封。胴上げ投手を現役最多の22勝目で飾った。今日9日の同カード2戦目は、最速155キロのプロ注目右腕・馬場皐輔(仙台育英)が登板予定。チームは80年秋以来37年ぶり2度目の完全優勝(10戦全勝)で、明治神宮野球大会東北地区代表決定戦(21日~岩手・花巻球場)に乗り込む。

 仙台大が最終戦を待たずにリーグ優勝を決めた。連敗すればプレーオフになる状況下で、過去リーグ制覇68回を誇る盟主・東北福祉大に完勝した。今春、優勝に王手をかけながら3戦勝負に持ち込まれてサヨナラ負けした相手に雪辱した。普段、辛口の森本吉謙監督(43)は「春よりうまくなりました。ちょっと感動しています」と評価した。9回表2死一塁でプロ注目の4番楠本泰史(4年=花咲徳栄)を内野ゴロに仕留め「自分で決めるつもりだったので素直にうれしい」と岩佐は笑顔を見せた。

 最速は140キロ台前半ながら、多彩な変化球と緩急を織り交ぜた投球が持ち味。今季5戦全勝で失点は東北大1戦目の4回裏に取られた2点だけ。計38イニングで4四死球の制球力も際立つ。女房役の辻本勇樹捕手(3年=北海)は「構えたところに来るのでリードしやすい。最後まで球速が落ちないで生きた球がくる」と信頼している。その辻本は5番打者として、7回裏1死満塁から右前に先制打を放って援護。今季3本塁打8打点とし、打撃2部門で首位に立った。今日9日の2戦目でもう1人のエース馬場をリードする辻本は「やるしかない」と10戦全勝でのフィニッシュに意欲を見せた。

 リーグ1位で東北地区代表決定戦進出を決めた。21日の初戦(準決勝)は東日本国際大(南東北代表)との対戦が決まっている。柴田高3年夏の県決勝で5-6で仙台育英にサヨナラ負けした岩佐は「高校で行けなかったので全国で投げてみたい」とチーム初の秋の神宮出場に向かって突き進む。【佐々木雄高】