中日は極端な未来型ドラフトを敢行した。6人指名したうち1位のヤマハ・鈴木博志投手(20=磐田東)以外は5人が高校生。86年ドラフト以来31年ぶりの高校生5人指名だった。

 森繁和監督(62)は全体を振り返り「上出来でしょう」と満足げ。今季も中日は5位に沈み、5年連続Bクラスと低迷する。それでも将来的なチームの土台作りを優先して、素材型の選手を数多く狙った。

 12日のスカウト会議では1位候補を5人に絞っていた。早実・清宮のほかにヤマハ・鈴木、JR東日本・田嶋、青藍泰斗・石川。石川が2位まで残ったことで、5人のうち2人の「1位」を指名できた。中田スカウト部長は「満点じゃないか。石川が非常に大きい」と胸をなで下ろした。

 3位の滝川二・高松渡内野手(3年)は「どうしてもほしかった」(同部長)。1軍でも通用するとされる脚力を買い、上位指名に踏み切った。甲子園を制覇した4位の花咲徳栄・清水達也投手(3年)は最速150キロの直球に、鋭いフォーク。5位の中京大中京・伊藤康祐外野手(3年)も脚力が注目されている。6位の市西宮・山本拓実投手(3年)は身長167センチだが球が速い。

 高校生ながら、いずれも身体能力に秀でている。来年の戦力になるかは度外視し、スケール感やポテンシャルを重視する今年のスタンスを貫いた。【柏原誠】