日本ハムから2位で指名されたNTT東日本・西村天裕投手(24=帝京大)がエース争いに参戦する覚悟を見せた。最速154キロのパワー型右腕は、2年前のドラフト直前に大ケガを負い、指名漏れを経験。悔しさをバネに磨いた投球術で、来季メジャーへ挑戦する意向を固めている大谷の後釜も視野に、勝負に挑む。

 西村が即戦力のエース候補としての期待を背負う。「怪物です」とたたえた大谷は、来季メジャーへ挑戦する意向を固めており、後釜へ最速154キロ右腕に期待がかかる。「自分のやることをしっかりやってマウンドに立てるように頑張りたいです」と意気込んだ。

 2年前、かなえられなかった夢だった。帝京大4年時にプロ志望届を提出したが、ドラフト直前、左膝前十字靱帯(じんたい)を損傷した。名前は呼ばれなかった。チームメートだった阪神青柳が、先にプロの世界に飛び込むのを見守るしかなかった。「当時はショックだった」と振り返る。

 社会人入りし、投球術を磨いた。「この2年間がなければ今の自分はない」と、無駄にはしなかった。だからこそ、今では自信を持って「150キロを超えるストレートで空振りが取れるところを見てほしい」。今夏の都市対抗を制したNTT東日本から指名された3人のうち、真っ先に名前が呼ばれた。

 「(大谷は)体が軟らかいけど、自分は硬いんですよね。そこからです」と、しっかり先を見据えている。7球団競合の1位清宮について「怪物、有名人という印象。チームメートになるかもしれないのはうれしく思う」。まだ訪れたことのない北海道での活躍を夢見て、最後は「海鮮丼が食べたいです」と、笑っていた。【保坂果那】