巨人岡本が大敗の中で3打数3安打と気を吐いた。宮崎での秋季キャンプの第2クール4日目の11日、韓国・ハンファとの練習試合に「4番三塁」で先発。チームは登板した全5投手が失点し計18被安打11失点で完敗。散々な試合展開でも、岡本は「ベンチでも次の打席はどう打つとか考えてます。気持ちが切れることはなかったです」と抜群の集中力で快音を響かせた。

 “鈍感力”が成長に加速度をつけている。今キャンプは野手が1日1500スイング前後の振り込みを実施中。9日の練習中、岡本は練習で使っていたバットが通常の練習用より約100グラム重い、約1キロのマスコットバットだったと知った。「指摘されて『うわー』って思いましたよ。まあ僕、体は強いんでね」とニヤリ。バットの取り間違いに気付かないほど打撃練習に没頭していたことでスイングの強化も生んでいた。

 前日には首脳陣から、体が前に突っ込まない打撃フォームの指導を受けた。さっそく結果につなげたが、高橋監督は「これで良くなったとか良くなってないとか言うんじゃなく、結果が出たのならやってることを継続してほしい」とさらなる成長を期待。岡本も「すぐ自分のものになるとは思ってない。たまたま安打が出ただけ」と喜びに浸らなかった。周囲の期待を重圧に感じず、貪欲に進化を続ける。【浜本卓也】