ソフトバンク工藤公康監督(54)が14日、16年ドラフト1位田中正義投手(23)を来季は先発ではなくリリーフで起用する考えを明かした。キャンプ休日のこの日、宮崎市内でゴルフを楽しんだ工藤監督は田中について「まずはリリーフで結果を出さないと。向き不向きもあるが、1イニングを全力でというのはある」と話した。

 5球団競合の末、工藤監督がくじで引き当てたドラフト1位田中は、今季1軍登板なしに終わった。右肩痛などで即戦力の期待に応えられなかった。工藤監督は「球を置きにいく(傾向)と報告を受けている。今は腕を振ることをさせている」と、この秋は特別強化指定選手として、みっちり指導している。

 悩み、弱気などを払拭(ふっしょく)するためにも、最速156キロで空振りが取れる直球をドンドン投げ込ませる。秋季キャンプのブルペンを見た工藤監督は「直球はトップクラス。いい球を投げている」と、改めて評価。まだ変化球の球種が少ないこともあって先発は難しいが、リリーフなら直球とフォークだけで勝負できると考えている。

 1軍には今季日本新記録の54セーブをマークしたサファテもいる。岩崎、森、創価大の先輩石川と手本となる選手も多い。田中は「キャンプは順調ですよ」と手応えを感じ、表情にも明るさが戻ってきている。今日15日からキャンプ最終クールが始まる。来季、強力救援陣に切り込むためにも、田中にとって大事な4日間となる。【石橋隆雄】