来季から先発転向の可能性がある阪神岩崎優投手(26)が「マツダキラー」に名乗りを上げた。今季は広島の本拠地マツダスタジアムで9試合に登板。同球場での防御率1・54は、今季37セーブで最多セーブのドリスや、ともに最優秀中継ぎに輝いたマテオ、桑原らをしのぎ、50試合以上登板した阪神6投手の中で最もいい数字。「中継ぎだと3連戦の中で、1イニングをどう抑えようかやっていた。先発は2、3回対戦があるので考えながらやっていかないといけない」。可能性のある先発マウンドに向け、気を引き締めた。

 1年目の14年から16年までマツダスタジアムは鬼門だった。その3年間で4試合に先発し、防御率は12・66だった。同球場について昨オフ、「(マウンドの)角度とか硬さが気になる」とも話していた。しかし、今年は「中継ぎで投げているうちに雰囲気とかマウンドに慣れていった」と、きっちり克服してみせた。

 チームは同球場で3勝8敗1分けと苦手にしただけに、アレルギーを克服しつつある岩崎の存在はなんとも心強い。【山川智之】

 ▼岩崎は14年のプロ入りから昨季まで、マツダスタジアムで大苦戦。4試合10回2/3を投げ失点、自責点とも15(防御率12・66)。被打率は実に4割3分5厘(46打数20安打)にのぼっていた。今季は同球場で、広島以外の投手では最多の9試合を投げ、防御率1・54。被打率1割7分5厘と抑え込んだ。