高校野球ではセンバツ決勝で史上初の大阪決戦が実現。大阪桐蔭はライバルの履正社を下して節目の勝利を挙げた。夏の甲子園では広陵・中村奨成捕手が1大会新記録となる6本塁打を放った。

 早実・清宮幸太郎内野手は高校日本代表として出場したU18W杯(カナダ)で高校通算本塁打を111本まで伸ばした。大学野球では、左腕宮台擁する6大学の東大が15年ぶりの勝ち点を獲得。東都の東洋大・高橋昭雄監督は今季限りでの勇退を表明した。

 

  ◇  ◇  ◇  

 

▽早実・清宮幸太郎内野手「みなさんにとって、忘れられない春になるんじゃないかと思います」(2月22日、東京・八王子市役所を訪問。どんな春にしたいか? との質問に返答。当時17歳の言葉力に衝撃を受けた=久保賢吾)

 

▽大阪桐蔭・西谷浩一監督「勝てたことがうれしい。大阪桐蔭として節目の50勝は記念すべき数字です」(4月1日、センバツ決勝で履正社との史上初の大阪対決を制し優勝。5年ぶり2度目の日本一は、大阪桐蔭の甲子園春夏通算50勝という節目だった=磯綾乃)

 

▽履正社・安田尚憲内野手「最後の最後で追い越せるか、追い越せないか。気持ちの問題だと思います。1点勝ち越していたら違ったかもしれない」(4月1日、注目のスラッガーとして挑んだセンバツで、惜しくも準優勝。8回に3点差を追いついたが、あと1点が遠かった=磯綾乃)

 

▽早実・清宮幸太郎内野手「宣誓。私たちは野球を愛しています」(7月8日、東・西東京大会開会式で選手宣誓。亡くなった小林麻央さんの言葉を引用した=久保賢吾)

 

▽早実・野村大樹捕手「2カ所くらい折れてましたけど、数ミリのズレですし、それくらいなら僕は気にする方じゃないので」(7月17日、西東京大会の芦花戦。前戦で鼻骨を骨折し、フェースガード着用で強行出場。気持ちの強さを感じた=久保賢吾)

 

▽東海大菅生・若林弘泰監督「(2年前に早実に西東京大会決勝で敗れ)空気を読める監督と言われました。今度は読まないでやります」(7月28日、日大二に勝利し、早実との決勝戦に進出。独特の言い回しで雪辱を誓った=久保賢吾)

 

▽大阪桐蔭・西谷浩一監督「1ミリか0・1ミリ、0・01ミリくらい粘り強さがあったということですかね」(8月17日、夏の甲子園2回戦で、智弁和歌山に2―1の僅差で勝利。勝負はわずかの差で決まると、あらためて実感した=磯綾乃)

 

▽天理・中村良二監督「攻撃も中村君、守備力も中村君、何かことがあれば中村君。でも他の選手が見劣りするかといえば、決してそうじゃない」(8月22日、甲子園大会準決勝で広陵に惜敗。攻守で奮闘した相手捕手、中村奨成の存在感と、中心選手を孤立させない広陵の強さをたたえた言葉だった=堀まどか)

 

▽広陵・中村奨成捕手「不思議な感覚。すごい場所なんだなと思います。球児の憧れの場所に立てているだけでもありがたい。結果が出ているのは甲子園の力だと思います」(8月22日、夏の甲子園で1大会新記録となる個人6本塁打目を記録。聖地に立った人しか分からない力を感じた=磯綾乃)

 

▽早実・清宮幸太郎内野手「タイ(記録)にはこだわりはなくて、やるからには抜きたいという思いがあった」(8月25日、高校日本代表―千葉工大戦で新記録の高校通算108号。アーチストのプライドが詰まった一言だった=久保賢吾)

 

▽早実・清宮幸太郎内野手「やはり、早実の先輩である王貞治さん。いずれは868本を目指せるような選手になりたい」(9月22日、プロ志望届提出を表明。理想の選手を聞かれ、壮大な目標を掲げる姿は清宮らしかった=久保賢吾)

 

▽東大・宮台康平投手「東大に受かった時もうれしかったですけど、その時と同じくらいうれしいです」(10月8日、法大戦で15年ぶりの勝ち点を獲得。東大生らしい表現だった=久保賢吾)

 

▽東洋大・高橋昭雄監督「あっという間。監督をして46年、優勝して終われる人なんてそういない。幸せ者だった」(勇退発表後の12月15日秋季リーグの優勝祝賀会で。初江夫人も登壇し「本当に幸せな高橋監督でした。私も幸せでした」とほほ笑む姿に二人三脚の監督生活を実感=和田美保)

 

▽東大・宮台康平投手「それを見て厳しい世界だなと思った。覚悟を決めて精いっぱいやりたい。不安な気持ちもありますけど」(12月16日、京大卒のロッテ田中の自由契約について。プロの世界に飛び込む心境を吐露=斎藤直樹)