ミスター流トレで1軍切符つかみとる! 阪神ドラフト2位左腕の高橋遥人投手(22=亜大)が、巨人長嶋ばりの山登りトレーニングで肉体強化を図っていることを明かした。4日、静岡市内の母校・常葉学園橘で自主トレを公開。年末年始は実家近くの静岡・梶原山を約30分で駆け上がり、山頂で富士山を眺めて「充電」していることも明かした。現役時代の長嶋が同じ静岡の山にこもって富士山を見つめたように、最速151キロ左腕も「富士山パワー」で1軍メンバーに割って入る意気込みだ。

 幼い頃から繰り返してきた梶原山登り。山頂で富士山を眺めていると、高橋遥に力がみなぎる。「きれいだな…」。見つめているうちに、プロの世界へ飛び込む覚悟ができてきた。

 この年末年始も心を落ち着かせるために、思い出の詰まった登山に挑戦した。「いつも以上に体を動かさなければと思って。平地よりは足にくるので。体がなまらないように登りました」。標高279メートルを30分ほどで登り切る。そして、山頂で富士を見ながら心に誓った。「(1軍の)競争に割って入れるように、やってやるんだという気持ちで、がむしゃらに頑張っていきたい」。

 山に登り、富士山を眺めるトレーニングといえばミスターが有名。現役時代、巨人長嶋は静岡・大仁町(現伊豆の国市)にある城山の山頂から富士を眺めてパワーをもらっていた。日本一の山の麓で生まれ育ったからできるトレーニング。ミスターにあやかって、高橋遥もプロの世界でのし上がる意気込みだ。

 もともと穏やかな性格だが、1軍に生き残るための競争は覚悟している。亜大の同学年で巨人ドラフト4位の北村拓己内野手(22)の助言を受けてから、意識的にマウンドで叫んだり、闘志を前面に出すことを心がけてきた。そんな球友を「負かしてやりたい」と気持ちを高ぶらせた。同学年の阪神ドラフト1位、馬場皐輔投手(22=仙台大)に対しても熱い思いを抱く。高橋遥は「一緒に入ってきた人にも負けない。全員一緒のスタートラインなので、仲良しこよしではなくて競いあっていきたい」とライバル心を隠さなかった。

 チームに岩崎や竹安ら静岡出身の選手がいるのは心強い。「まだあいさつできていない。まずは(亜大の先輩である)板山さんに話しかけて、そこからですね」と輪を広げ、チームになじむつもりだ。肩の状態に問題はなく、「大学のときは(休まず)ずっと投げていた。同じように投げ込めたら」。1年目からフル回転を誓う左腕が、富士山パワーで1軍へ駆け上がる。【真柴健】