虎ナインよ、今季こそ「優勝」や!! 阪神球団の年賀式が5日、兵庫・西宮市内の球団事務所で行われ、昨年12月1日に就任した揚塩(あげしお)健治球団社長(57)が、年頭所感で選手に2つのリクエストを出した。「優勝の有言実行」と「ベンチでの闘志全開」だ。目指すは13年ぶりリーグ優勝と33年ぶり日本一。03年&05年リーグ優勝時に甲子園球場長だったアゲアゲ新社長が、ゲキ熱エールで金本阪神を鼓舞だ。

 新年の球団開きは、熱に満ちていた。揚塩新球団社長が年賀式のあいさつで球団職員らに向き合った。紙を取り出し「少し長くなりますが」と前置きすると、選手、フロント、マスコミ、ファンに言葉を並べた。球団トップの年頭所感は近年異例の11分間に及んだ。昨年末に急性虫垂炎(盲腸)の手術で入院。元日の退院まで熟考した文面だ。

 「今年は必ず優勝しましょう!! 日本一になりましょう!! 金本監督に代わって2年。この2年で、優勝を狙う基礎力はついたと思います」

 かつて甲子園球場長などを歴任。昨年12月、6年ぶりに球団復帰した。「球団から離れて冷静に客観的に見てきました」と言い、選手にメッセージを寄せた。

 <1>有言実行の「優勝」

 揚塩球団社長 優勝する、日本一になると言葉に出してほしい。言葉に出せば、必ず中身のある練習、工夫のある練習を継続しなければなりません。「優勝」の2文字を声に出し、自分に打ち勝ってほしい。

 キャプテン福留を筆頭に鳥谷や能見も公言してきた悲願だ。全員が堂々と口に出せば、行動も変わる。13年ぶり優勝、33年ぶり日本一に向かう第1歩だろう。

 <2>ベンチでも闘志全開

 揚塩球団社長 ベンチで戦う姿勢を前面に出すということです。誤解を恐れず言うと他の強豪チームに比べテレビ画面を通して伝わってくるはずのベンチの覇気、戦う姿勢が感じられない場面を記憶しています。

 昨年覇者のソフトバンク、広島やCSで躍進したDeNAに比べ、物足りなさを感じたという。「勝ち負けよりそこが残念」。だから言う。「試合に前のめりになる姿勢を前面に出してほしい」。ホークス松田や広島菊池らのような、お祭り男の出現も願った。「必要でしょう。今のベンチは聞くところでは中堅に声が出ている。若手も遠慮することない」と言い切った。

 「懸案の外国人大砲を獲得できました。しかし、1人で優勝できる甘いものではないと重々承知している」。新外国人ロサリオを4番候補に見込むが、現有戦力の底上げも不可欠だ。金本阪神勝負の3年目。大輪を期待し、厳しくも温かいエールを送った。【酒井俊作】