高校通算33本塁打のソフトバンク・ドラフト3位の増田珠(しゅう)内野手(18=横浜)が9日、ビックリアイテムとともにプロの世界に飛び込んだ。福岡・筑後市の若鷹寮に持ち込んだのは、恩師特製の目覚まし時計だった。

 3日に長崎市内で行われた、中学時代の所属チーム「長崎シニア」の壮行会で贈られた一品。実家に持ち帰ると、翌日未明に“事件”が起こった。家族で眠りについていると、どこかからか声が聞こえてくる…。増田は「お母さんが呼んでいるのかな、でも何かおかしいな」と不審に思った。家族も「誰かがしゃべっている」とざわついた。

 恐る恐る、声の主を捜してみると、例の目覚まし時計があった。「珠、朝だぞ、起きろ!」。何と、アラーム代わりに録音されていたのは、長崎シニア・若松猛監督の声だった。

 度肝を抜かれた増田だったが「すごくお世話になった」という恩師からのサプライズ餞別(せんべつ)に大感激。「これでしっかり起きられるようにします。(両隣の)茶谷さん、黒瀬さんの迷惑にならない音量にしたい」とプロでも使用する予定を明かした。

 年末年始は故郷の長崎でトレーニングを積んできた。だが「不安が募る一方でこの日を迎えました。チームの練習についていけたらいいですが」と心配顔。それでも1年目のテーマを「チャンスを逃さない1年にしたい。まずは2、3軍でいただいたチャンスをものにする」と掲げた。今日10日からは新人合同自主トレがスタート。強力な目覚ましで寝坊の心配なく!? 猛アピールだ。【山本大地】