郷土の大投手の偉大な背中を追いかける。ヤクルトのドラフト2位大下佑馬投手(25=三菱重工広島)が17日、埼玉・戸田球場での新人合同自主トレを視察した小川監督に猛アピールした。3000メートル走では、2位以下を大きく引き離して独走。即戦力の評価に値する、スタミナと身体能力の高さを披露した。

 タフマンぶりは、日米通算313セーブの先輩に重なる。ヤクルトやメジャーで守護神だった高津2軍監督は広島の段原小、段原中、亜大の先輩。小学生時代に野球教室でもらったサインボールは、今でも大事に実家に保管してある。地元の英雄がたどった同じ道を幼少期から歩み、ついに同じユニホームに袖を通す。「縁を感じます」とほおを緩めた。

 「明確に目的意識を持って取り組んだ」と、昨季に5キロ前後の球速アップに成功。鉄球で指先を鍛え、ヨガなどにも取り組んだ。内角を強気に攻める最速151キロの先発右腕へと変貌を遂げ、プロへの道を切り開いた。

 今日18日に新人合同自主トレで初めてブルペン入りする。「実力以上のことは出ない。フォームのバランスや、力まず投げるのを意識したい」と足元を見据えた。春季キャンプは1軍スタートの見込みで、キャンプ中に3試合予定している練習試合で初実戦のマウンドに立つことになる。黄金時代を築いた故郷の先輩のように、ヤクルトを支える投手となる。【浜本卓也】

 ◆大下佑馬(おおした・ゆうま)1992年(平4)7月6日、広島生まれ。崇徳高時代に甲子園出場はなく、亜大ではDeNA山崎康と同期。座右の銘は「不動心」で、趣味は銭湯に行くこと。好きな芸能人は新垣結衣。今季年俸は1200万円(推定)。179センチ、83キロ。右投げ左打ち。血液型O。