【スコッツデール(米アリゾナ州)1日(日本時間2日)=木下大輔、中島宙恵】日本ハムのドラフト1位、清宮幸太郎内野手(18=早実)が、春季キャンプの初日を迎えた。この日がコーチ陣の指導解禁日。痛めている右手親指の影響で打撃練習は回避も、金子誠内野守備コーチ(42)によるマンツーマンの個人授業で守備を猛特訓。侍ジャパンコーチ直伝、日の丸印の英才教育で、プロ生活の幕を開けた。

 真新しいユニホームが、まぶしかった。初キャンプの初日を終えた清宮の表情は「疲れていると思う」と言いながらも、充実感にあふれていた。「ユニホームに袖を通して練習する初めての日。これから月日を重ねて慣れていっても、1年目のキャンプ初日というのは初心に戻れる日になるはず。何かあったとき、この日を思い出せるようにしたい」。最高気温27度。日本ハムの背番号21は、真っ青なアリゾナの空の下で過ごした4時間25分を、しっかりと心に刻んだ。

 新人合同自主トレで痛めた右手親指の影響で、バットは1度も握らず。うずくスラッガーの心を静めるかのように、打撃練習の代わりに課された「清宮特製メニュー」が遊撃の名手として鳴らした金子内野守備コーチによるマンツーマンでの個人授業だった。立ち膝のままゴロをさばくハンドリングの練習や、テークバックを意識した送球練習など計約1時間。課題とされる守備の向上へ「足の運びや上体の上下運動、送球の形など、自分も格好良い守備をしたいと思っていたので、基本的な部分をちゃんとしたかった。新鮮だった」と、願ってもない貴重な時間を過ごした。

 今回の故障を「これまで打撃に費やしてきた時間を、他のことに使えたら」と、チャンスと捉えている。「根気はいるけど、じっくり取り組んでいけば、姿や形が変わってくる」と金子コーチ。侍ジャパンのコーチ直伝の英才教育は、打撃練習ができない間、継続の予定だ。

 黄金ルーキーのキャンプ初日を見ようと、この日は報道陣、ファン各100人が練習場に足を運んだ。「アメリカまでたくさんのファンが来てくれたことに、びっくりした」。芽生えたプロ意識が、18歳の顔を精悍(せいかん)にした。