楽天の「サブちゃん」こと福山博之投手(28)は今年も健在だ。6日、沖縄・久米島の2軍キャンプでブルペンに入り、直球のみ100球を投げ込んだ。低めをズバスバと突き「こんなもの。コースを意識しながら今の時期はやっている」とさらりと言ってのけた。

 4年連続で60試合以上に登板しているのには訳があった。今年で4年連続となる2軍キャンプスタートに秘密が隠されていた。福山は「コーチと相談して決めている」とだけしか話さなかったが、大石知宜2軍ヘッドコーチ(64)が理由を明かした。

 大石2軍ヘッド 1軍キャンプだと実戦練習が入ったりして、意外に自分のやりたい練習ができない。すでに実績もある投手だし、調整法も確立している。2軍で自分のペースで練習する方が福山に合っている。

 第2クール初日のこの日は、左打者の内角だけを意識し、途中からは聖沢に立ってもらった。毎年のルーティンをこなしただけだが、あまりの仕上がりの早さに横山ブルペン捕手からは「まだ早いって!」と声が出るほどだった。

 今年も60試合以上の登板を果たせば5年連続となり、巨人山口の9年連続に次ぐプロ野球史上2位の記録となる。ただ福山はチームの勝利、そして優勝だけを見ていた。「記録は意識はしてない。チームのために1試合でも多く投げて、1点でも少なく抑えて勝ちにつながれば。優勝しか考えてない」。鉄腕の躍動なくして、楽天の飛躍はない。【高橋洋平】