昨年8月に椎間板ヘルニアの手術を受けたヤクルト川端慎吾内野手(30)が、実戦復帰して即、2安打を放った。9日の紅白戦(浦添)に4番DHで出場。同8月6日のイースタン・リーグ西武戦以来の実戦となったが、3打数2安打で元首位打者の貫禄を見せた。

 自分でも驚くほどの打撃センスだ。「もうちょっと(球が)見えないかと思っていたけど、見えた」。第1打席こそ変化球に一塁ゴロ。「最初の打席で引っかけたので、もっとポイントを後ろに置かないと」と修正した第2打席はスライダー系の136キロを左前適時打。第3打席は石山の142キロ直球を中前にはじき返した。さらに一塁走者として二塁打で本塁まで激走し「打った打たないより、しっかり走ったりできて良かった。体は大丈夫。不安はない」と笑顔で振り返った。

 辛口の宮本ヘッドコーチも打撃に舌を巻いた。「ヒットはいつでも打てますという感じだったね」。小川監督も「打線は厚みが出るのは間違いない」と喜んだ。この日はDHでの出場となったが「守備にも入るつもりだった。待機していきたい」と川端。歴史的最下位からの逆襲に、役者が1人帰ってきた。【斎藤直樹】