DeNA山崎康晃投手(25)は15日、韓国サムスンとの練習試合(宜野湾)で9回に登板。新球種の「スラーブ」2球を含む12球で3者凡退に抑え、4年目の進化を示した。

 打ち取った打球に高くジャンプした。9回のマウンドに上がった山崎は、1人目を直球で遊ゴロに仕留めると、2人目はツーシームで泳がせた。高く弾んだ打球は、飛びついたグラブをかすめて、遊撃柴田が好処理。3人目は空振り三振で3者凡退で締めた。「指にかかる球が増えてきた。少しずつやりたいことが明確になって、試合で試すことができた」。守護神が最高のスタートを切った。

 最速146キロの直球と勝負球のツーシームの中に新しい球種を織り交ぜた。2人目の2球目。打者の足元で沈んだ球は、オフから取り組んだ変化球だった。「打者が嫌がる間を作るために試すことができた。スラーブを試せたことはよかった。あの1球はキーになるボール」。スライダーの軌道で123キロの緩い球速。続けて投じると外に抜けた。まだテスト段階で「ストライクをとろうとするのではなく、間をつくるのが目的。実戦を通してもっともっと精度を上げていく。武器にしないといけない」と、投球の幅を広げる。

 キャンプでは第1、第2クールで連日ブルペンに入った。50球前後の投球で確認。「ずっと続けることで学ぶことがある。次は実戦でメンタル面の動きも出てくる。実戦を通じてレベルアップができれば」。積み上げてきた土台に新球の習得でスケールアップする。3年で積み上げた通算セーブは96。4年目で通算100セーブに到達すれば日本人最速となる。「けがなくここまでできている。今後につながる手応えをつかめた」。進化の先に、クローザーの金字塔が待っている。【栗田成芳】