100分の1の年俸から再出発する。巨人を自由契約となった村田修一内野手(37)が9日、栃木・小山市内でBCリーグ栃木ゴールデンブレーブスの新入団会見を行った。背番号は25で、推定年俸は昨季の2億2000万円から大幅ダウンの250万円となった。初めての炊事洗濯を行いながら栃木県内で単身生活を開始。7月31日が期限となるNPBへの復帰を目指し、若手と汗を流す。

 男村田が求めたものは、待遇でなく、野球ができる場所だった。無数のフラッシュを浴びると表情が緩んだ。「10月の戦力外を受けてから、長い間、いろいろ考えることもありました。迷うこともありました。しかし、野球を続けたいという気持ちが一番上に立ちました。そういう気持ちを自分では抑えることができず、野球を続けたい、NPBを目指したい」。BC栃木での再出発を決めた。

 100分の1の条件からNPB復帰を目指す。BCリーグはサラリーキャップ制が導入されており、キャンプ期間の3月は月給10万円。4月開幕後、9月までのシーズンでは月給40万円が最大だ。単純計算で推定年俸は250万円。昨季の2億2000万円からは大幅減だ。でも「どこかで野球を続けながら、NPBに戻りたい。いろんな環境で野球をやっている姿を目にするのも、僕の人生ではプラスになる」と受け入れた。

 すでに今週から栃木県内での単身生活をスタート。初めて自ら米をとぎ、炊飯器のスイッチを入れた。「この間初めて包丁を握って、キャベツを千切りして、指が危なかった」と野菜も切った。液体洗剤を入れて、洗濯機も回した。条件はNPBを目指す若手と全く同じ。「人生勉強です」と前向きにとらえた。

 1つの区切りはNPBの選手獲得期限の7月31日となる。「それまでに復帰があるのか、ないのか。それは自分が判断するところではない。NPBの方から来てくれとお声がかかれば、行きますし。声がかからなければ、行かない。まずはブレーブスさんのために野球をする」と言い切った。まずはBC栃木で与えられた役割を果たさなければ、先はない。独立リーグからNPBへ。「僕の人生は家族のこともありますし、自分が正しいと思う道にただ進むだけ」と力強く人生を切り開く。【島根純】