中日松坂大輔投手(37)が開幕ローテ入りに前進した。オープン戦2度目の登板で3回3安打2失点。3四球に3回には連続死球を与えるなど大荒れの内容だったが、1年ぶりに76球を投げた。森監督は「順調といえば順調。予定通りに来ている」と評価。4月3日からの本拠地開幕シリーズ登板へ、次回は23日からのロッテ3連戦(ナゴヤドーム)での登板が見込まれる。

 投球が乱れても、開幕へ向けた照準にはブレはなかった。松坂は登板後、開幕ローテ入りについて問われると「(そこを目指すのは)普通じゃないですか」と言い切った。

 メジャー挑戦前の06年まで在籍した古巣西武戦。元同僚松井との対戦は2度とも右飛に抑えた。「(松井)稼頭央さん、(炭谷)銀仁朗だったり、一緒にやった選手には多少違った感覚があった」という。

 1回に浅村に適時打を打たれ、3回には無死一、二塁から投ゴロを野手選択で無死満塁。浅村は併殺に仕留めたものの、同点に追い付かれた。さらに山川、外崎に連続死球で2死満塁。朝倉投手コーチがマウンドに向かい「大丈夫ですか?」と声をかけた。「大丈夫」と応じて後続を抑え、3回2失点にはまとめたが、松坂も「ブルペンからボールが暴れていたが、試合でもそのままでした。ボールが手に付かずフワフワした感じ」と苦笑いの内容だった。

 だが、森監督は「内容は別にして、予定通りに来ている。順調といえば順調」と強調。「本人も感じているはず。満足しているとは思わないし、次は内容をもうひとつ上げていくと思う」と期待した。

 4日の登板から中9日。その間ブルペン入りは登板前日の1度だけで臨んだ。前回に続き、この日も試合開始2時間半前に球場入り。グラウンドに姿を見せたのは試合前1時間を切ってからと独自調整を貫く。すべては右肩のためだ。

 この日の収穫は「球数(76球)を投げたこと」と振り返る。その反応がどう出るかを松坂も首脳陣も注視している。近藤投手コーチも「昨年までそれで苦しんだから、そうならないようにしないと」と慎重の上に慎重を期している。

 肩に問題がなければ、23日からのロッテ3連戦での登板を経て、4月3日からの本拠地開幕シリーズの巨人3連戦を目指すことになる。復活への手応えを、次こそ確かなものにする。【高垣誠】