日本ハムのドラフト1位、清宮幸太郎内野手(18=早実)の開幕2軍スタートが、正式に決まった。高校通算111本塁打の怪物は、オープン戦で19打席連続無安打と結果が出ない中、「限局性腹膜炎」で入院治療のため離脱。退院から一夜明けた25日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で練習を再開した。実戦復帰は、早くて4月6日イースタン・リーグ巨人戦(ジャイアンツ)になる見通しだ。

 朝の静寂の中、バットが空気を切り裂く音が室内練習場に響いた。「限局性腹膜炎」で東京都内の病院に入院していた日本ハム清宮が、11日DeNA戦(鎌ケ谷)以来、約2週間ぶりに公の場で体を動かした。13日間の入院生活で体重は6キロ減。顎のラインがシャープになった。バットを片手に室内練習場へ移動すると、ウオーキング、体幹ストレッチで体を温め、鏡の前で素振りを敢行。31スイングで感触を確かめ、20分ほどで練習を終えた。

 「症状は全然、大丈夫。食べ過ぎたりしないように、気を使いながらやっていかないと」。バイキング形式の食事では、ついついたくさん皿に盛ってしまう食いしん坊だけに、注意が必要。「沖縄キャンプの時からずっとおなかが痛かったけど、いつか治るだろうと思っていた」。2月22日、沖縄での2次キャンプ中に急性胃腸炎を発症して以降、だましだましで練習やオープン戦をこなしていた。

 2月の春季キャンプから1軍に同行も、開幕を前にまさかの離脱。オープン戦19打席連続無安打と結果が出ない中で、今回の入院が追い打ちを掛けた。「1日1日すごく早くて、あっという間でした。病室で1軍の試合をテレビで見たりもしてましたけど、本当は、そこにいなきゃいけなかったなと思いながら過ごしていた」。前日24日に退院して寮に戻ったが、隣接するグラウンドで行われている2軍戦には、参加できない。「何もしていない自分がすごく情けない」と悔しさをこらえた。

 球団は明日27日にも練習計画を決めるが、開幕2軍スタートは確定となった。当面はトレーナー管轄のもと別メニューで調整。実戦復帰の時期について、吉村ゼネラルマネジャーは「4月2日以降になったら、めどがつくかなと思う」と話しており、同6日イースタン・リーグ巨人戦(ジャイアンツ)が最短ルートとなりそうだ。清宮は「まずはちゃんと野球ができる体に戻していかないと。段階を踏み外すことなく、1歩1歩やっていければ」。止まっていた時計が、再び動きだした。【中島宙恵】

<日本ハム清宮の体調不良経緯>

 ◆3月12日 数日前から腹部の異常を訴え、広島での休養日だったこの日の夜に緊急帰京し、都内の病院に入院。前日11日のDeNAとのオープン戦(鎌ケ谷)は、4打数4三振と精彩を欠いていた。

 ◆13日 病院で精密検査を受け、腹膜の一部に炎症が見られる「限局性腹膜炎」と診断される。

 ◆14日 12日から食事を取れない状態が続き入院先で点滴治療などを受ける。

 ◆15日 退院予定を変更。球団が当面は治療に専念することを発表。点滴治療などを継続する。

 ◆16日 都内で行われた早実の卒業式に出席。

 ◆20日 食事の摂取と、病院内のウエートトレーニング施設で軽い運動を再開。体重は5キロ減。球団は、早ければ週末に退院見込みと発表。

 ◆23日 通常の食事を再開。入院中は固形物の摂取を控えていたが、20日からおかゆなどを食べ始めていた。

 ◆24日 退院し2軍施設のある千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に戻る。