記念の1本は菅野から! 阪神の新助っ人ウィリン・ロサリオ内野手(29=韓国・ハンファ)がダメ押しの1点をたたき出した。球団102代目の4番に座り、4点リードの7回1死一、三塁。巨人菅野の内寄り直球に力負けせず、三遊間を抜いた。これが来日初安打&初打点。「打った瞬間はいい感触だった。いい結果になってくれて良かった」と胸をなで下ろした。

 直前の3打席は侍ジャパンのエースに苦戦が続いた。2回の来日初打席は外角低めスライダーにこらえきれず空振り三振。3回は152キロ直球に詰まって遊ゴロだった。「すごくいい投手。どの球(球種)をコンタクトするのかを考えて打席に立った」。初安打は2ボールから直球を狙い澄ましたかのようなスイング。柔軟に仕留め方をチョイスして野手8人の中で最後にHランプをともした。

 日本で初の開幕戦。「何もしていないよ」と話したが、開幕前夜は最高のリラックスタイムを過ごしていた。東京ドームの全体練習で看板直撃弾を2発。高揚した気分のまま、高級ステーキハウスで愛妻と2人の時間を楽しみ、充電100%の状態で節目の一戦を迎えていた。

 オフにメジャー、国内球団との争奪戦が続いた中、ロサリオが虎入りを決断した要因の1つに治安の良さがあったという。球団関係者は「うちは国内での住環境などをデータで送った。家族で安心して住める場所だとアピールした。それが決め手になったんだと思います」と交渉の裏側を明かす。いつだって家族思いのR砲。日本でもファミリーとともに、サクセスロードを突っ走る。【佐井陽介】