565日ぶりに巡ってきた先発機会で、球界屈指の「縦スラ」を攻略した。楽天フェルナンド外野手(26)が22日オリックス戦で、2回の第1打席で今季初安打。7回にも左前打を放ち、5安打無得点と沈黙した打線の中で気を吐いた。

 先発起用に結果で応えた。フェルナンドは2回2死、カウント1-2と追い込まれても、「勝負球」狙いで待った。「何度もビデオを見て、コーチのアドバイスもあり、イメージできてました」。鋭く大きく、独特の軌道を描く山岡の縦スライダーにロックオン。外角133キロに食らいつき、「気持ちですね」と右翼線付近に流し打った。

 1軍では、16年10月4日ロッテ戦以来の安打。気分を良くし、「ストレートを待っていた。少し、ミスショットでしたが」と7回にも左前打。梨田監督が「4安打だけ。非常に打ちあぐねた」と山岡から、1人だけマルチ安打をマークした。

 今シリーズ初戦から昇格。20日は代走、前日21日は代打に起用され、出場2試合で無安打に終わった昨年の実績を超えた。「勝ちたかったですけど」と満足心はないが、15年7月12日オリックス戦以来3年ぶりのマルチ安打を、1軍定着の足掛かりにする。【中島正好】