ソフトバンク1軍打撃投手兼チーム広報の帆足和幸氏(38)はスマートフォンの画面で松坂のインタビューを見届けた。試合のあった京セラドーム大阪から千葉への移動の途中、喜びをかみしめた。故障に苦しんだ松坂を公私ともに支えてきた“戦友”。西武時代に左右の主戦として先発していた頃からの仲で、11年にFAでソフトバンクに移籍し、14年末の松坂入団時に再会した。

 松坂は15年のオープン戦後に右肩痛を発症。帆足氏もシーズン途中に故障し、ともに治療、リハビリを行った。「野球に対する彼の思いは大きい。何とか肩を治そうと、九州だけでなく、いい病院があると聞けば、関東でも関西でも、どこでも行ってました」。同氏は15年限りで引退して球団スタッフとなった。今年3月下旬にはオープン戦(ヤフオクドーム)で松坂の試合前練習の遠投を見て「投げ方が違ってました。投手らしい投げ方になっていました」と復活を確信した。

 「四球が多かったのもあいつらしい。精神力も復活している。これからも日本球界のために頑張って、白星を増やしてほしい」。戦友の復活を、自分のことのように喜び、交流戦での再会を楽しみにしていた。