目指すのは“若大将”らと同じ、新人記録だ。デビュー戦から5試合連続安打中の日本ハム清宮幸太郎内野手(18)が7日、空路で大阪入りした。前日6日のロッテ戦で、ドラフト制後(66年以降入団)の出場試合での高卒新人の連続安打記録を更新した。今日8日オリックス戦(京セラドーム大阪)で安打を放てば、6戦連続安打した原辰徳(巨人)らに並ぶ。

 高卒新人記録を塗り替えてから一夜明け、日本ハム清宮は大阪へ乗り込んだ。今日8日のオリックス戦は、さらなる記録更新へ向けた注目の一戦。濃紺のスーツにノーネクタイ姿で新千歳空港に現れた18歳は、沸き立つ周囲とは正反対に「平常心で打席に立ちたい。良い結果になるように最善の努力ができれば」と、静かに闘志を燃やした。

 2日からのゴールデンウイークは生涯忘れられない日々となった。1軍デビューを果たし、本拠地の札幌ドームで5試合連続スタメン出場。全試合でヒットを飛ばし「初めて試合に出たりして、中身の濃かった5日間だった」。打率2割9分4厘。当初、もう1度、2軍へ落とすことも考えていたという栗山監督は「結果が出ていることは事実。考え直さなくちゃいけない」と、うれしい悩みに悲鳴を上げている。

 81年に初出場から6戦連続安打を放った原氏については「監督のイメージが強いです」と言う。所属した東京北砂リトルで世界選手優勝を果たし、12年10月27日に東京ドームで行われた巨人-日本ハムの日本シリーズ第1戦で始球式を務めた。当時巨人の監督は原氏。早実中1年だった野球少年は18歳となり、野球殿堂入りした偉人にデビュー記録で並ぼうとしている。

 海の向こうでは日本ハムの元エースのダルビッシュ(カブス)が、黄金ルーキーに言及するなど、球界からも大注目の背番号21。「まだ打点がないですし、チャンスで何も出来ていない。チームの勝利にしっかり貢献できたら」。8日のオリックス先発はアルバース。勝利につながる一打で、記録継続をもくろむ。【中島宙恵】

 ◆清宮の連続試合安打 デビューの2日楽天戦から6日ロッテ戦まで5試合連続安打を記録している。デビュー戦から5試合連続安打は、ドラフト制後の高卒新人で最長になった。高卒の条件を外すと、デビューから出場毎試合で安打を打つ最長は原(巨人)ら3人が持つ6試合。なお、連続試合安打は打席がない試合を挟んでも途切れず、打席なしの出場を含めると15年小田(オリックス=日本生命から入団)が、守備固めの1試合を挟みデビューから9試合連続安打を記録した例がある。