怪物が小休止だ。デビュー戦から安打を重ねてきた日本ハムのルーキー清宮幸太郎内野手(18)の連続安打が、8試合目でついに止まった。「いつかは来ること。逆に今日、打てなかった分、明日2本打てたらいい。切り替えて、新たな気持ちで出来れば」。記録が途切れたことに落ち込む様子は一切ない。18歳は、前だけを見ていた。

 球界一の変化球の使い手、オリックス金子の投球術に幻惑された。1打席目はフォークボールを引っかけて投ゴロ。第2、3打席はチェンジアップを打たされて3打席連続で内野ゴロに打ち取られた。「変化球を頭に置いて打席に入った。狙っていたけど、考えすぎちゃいました」。第4打席は守護神、増井の148キロ直球に空振り三振。同点で迎えた9回の守備は無死一、二塁のピンチでベンチへ退いた。

 守備では、早実時代も練習試合でしか守ったことがない左翼でスタメン出場した。「打者に応じて対策しないといけないことが、いろいろある。打球処理の機会はなかったけど、いい経験になりました」。右足の打撃用レガーズを外し忘れて左翼の守備位置へ駆けだすなど、初々しい場面もあった。

 今月2日のデビューから、記録ラッシュの1週間だった。初出場試合から全7戦安打は高卒新人では2リーグ制後初。「初出場から」の条件を外した7試合連続安打はドラフト制後(66年入団以降)の高卒新人では清原(西武)らに並ぶ最長記録だ。前日9日オリックス戦では待望のプロ1号も放った。自信を持って、次の山へと向かえばいい。【中島宙恵】