日本ハムは打線が沈黙し、今季6度目の0封負けを喫した。栗山英樹監督(57)は2点を追う7回に代打攻勢を仕掛けたが実らず。最後まで楽天投手陣を捉えきれず、8回途中3失点と好投した先発高梨を援護できなかった。3カードぶりの初戦黒星。順位は2位のままだが、試合のなかった首位西武とは3ゲーム差に広がった。

 笛を吹けども、兵は踊らなかった。栗山監督は試合が終わると、帽子を取ってグラウンドに一礼。すぐさまベンチ裏へ下がった。打線が振るわなかった。5安打無得点で今季6度目の0封負け。「北海道に帰ってきて、もっといい形で点を取らないといけなかった」。12日ぶりに戻ってきた本拠地・札幌ドーム。手を打っても、ファンを沸かせる得点シーンを生み出すことができなかった。

 2点を追う7回の攻撃に勝負をかけた。先頭のレアードが安打で出塁。石井一、清宮と左打者が続くところで楽天高梨がマウンドに上がった。ここから指揮官のタクトは激しく振られた。石井一に代打岡、清宮には代打杉谷を送り込んだ。ともに結果は内野ゴロ。だが、レアードは三塁まで進むと右打者の清水に代打鶴岡を起用。「あの回に点を取らないと、ということ」。楽天も、この回3人目となる右投手の宋家豪に継投し、鶴岡は左飛に抑えられた。

 結果的に両軍が勝負どころと踏んだ攻防で、敗れた。8回も先頭の中島に代打田中賢を起用。6人いた控え野手は最後、横尾だけしか残らなかった。手を打って必死に点を奪いに行ったが、散った。「(代打策は打つ)確率を考えて。勝つためにやっている」。悔しさをにじませつつ、現実を受け止めた。

 前カードの首位西武との2連戦は連勝も、得点は2→1と投手陣の頑張りが大きかった。右ふくらはぎの筋挫傷から戦列に戻った3番近藤も、復帰後は3試合連続無安打。栗山監督は「コンちゃん(近藤)も、そういう時はある」と、じっと復調を待つ。主将中田は「高梨を、もっと楽に投げさせてやりたかった。悔しい」と、野手陣を代表した思いを吐露した。今日19日に対するのは楽天のエース則本。相手に不足はない。打ち勝って、この日の屈辱を晴らす。【木下大輔】