竜の必勝パターンが完全に崩壊した。2点リードの9回に中日の守護神・田島がマウンドに上がった。先頭坂口に四球を与えると、嫌な雰囲気が漂った。無死満塁で西浦に左前へ同点の2点適時打を打たれ、振り出しに。1死一、二塁から山田哲への2球目143キロの直球を、左翼席に運ばれた。

 田島は打球の行方をぼうぜんと見送った。バックスクリーンに表示された「3ランホームラン」を確認してから、マウンドを降りた。先頭の四球が問題だったかと問われ、「そうですね。これからチェックして、修正して直すところは直していきたい」と言葉を絞り出した。

 これで守護神の配置転換が決定的な状況になった。田島は前回登板の24日DeNA戦でも4失点で敗戦投手に。2戦連続の背信投球で、チームは4連敗。借金も今季最多の「8」に膨らんだ。森監督は不用意な1球だったかと聞かれると「そういう問題じゃない」と一蹴。「みんなあそこまで我慢して、つないできたんだ。球の問題じゃない」と続けた。怒りは収まらず、「明日より今日のことだ。(田島は)いるんだから使うしかない。みんな我慢しているが、(使い方は)考える」と話した。安定感のある祖父江が代役守護神になる可能性が高い。リリーフ陣の再構築は急務。最下位に沈む竜の苦闘は続きそうだ。【伊東大介】