日本ハムが競り負けて、5カードぶりに初戦を落とした。打線がオリックス投手陣の前に1得点のみ。粘投した先発マルティネスを援護できなかった。1点を追う最終9回は昨季までの同僚、増井に3者凡退で締められて12球団セーブを献上。楽天に大敗した首位西武にゲーム差なしと肉薄するチャンスを逸した。

 那覇で見せたような粘りを見せたかったが、節目を前に気合十分の元守護神に封じられた。1点を追う最終9回。昨季までの同僚増井に3者凡退に片付けられた。史上4人目の12球団セーブを献上すると同時に、栗山監督もグラウンドを背にしてベンチ裏へ引き揚げた。「(増井は)いい投手なので、そこに持っていかれないようにしないといけなかった」。実力を、よく知るからこそ、たった1点のビハインドが重かった。

 苦しい展開を打破できなかった。先発マルティネスが奮闘する中で、打線はオリックス先発の西を打ちあぐねた。ようやく、とらえたのが2点を先行された直後の7回。先頭のレアードが今季初の三塁打で出塁し、1死後に代打田中賢が中前適時打。さらに、代打矢野の左前打でチャンスを広げて西を降板に追い込んだが、後続が続かなかった。3打数無安打に終わった中田は「(西を)打ち崩せなかったのは事実。丁寧に投げられた。こういう試合もある。切り替えてやるだけ」と、事実を受け止め、前を向いた。

 気持ちを切り替えて臨む今日30日の試合で、チームはシーズン72試合目を迎える。143試合の長丁場も、ちょうど折り返し地点となる。栗山監督は「試合数も、ちょうど、ど真ん中。1つ1つ、しっかりやっていきます」と、節目を前に気を引き締めた。現時点で貯金9の2位。1つの敗戦を引きずる必要はない。首位奪取へ、仕切りなおす。【木下大輔】