大逆転Vのキーマンは背番号19だ! 阪神藤浪晋太郎投手(24)が10日、金本知憲監督(50)から後半戦のフル回転指令を受けた。先発予定だった11日の広島戦が西日本豪雨の影響で中止となり、この日はウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で調整登板。3回無失点の内容に納得顔の指揮官は、シーズン終盤での中5日先発連発、そして現在2勝からの2桁勝利到達と、大きな期待を寄せた。

 藤浪は虎風荘に姿を消す直前、汗ばむ顔面に充実感を漂わせた。気温は30度超えの鳴尾浜でデーゲームに臨み、3回を1安打2四球で無失点。最速は154キロを計測し、制球面でも大荒れすることはなかった。

 藤浪 前回の1軍ではあまりにも感覚が悪かった。フォーム的にもタイミングが合っていなかった。その辺を1週間やってきて、ボール自体は全然悪くなかったと思います。

 4日中日戦は6回途中で6四球4失点。制球難からタイムリーを食らった反省を糧にした。この日は初回、フォークを決め球に2者連続で空振り三振を奪う。2回1死一塁でけん制悪送球した後も、落ち着いて後続を処理した。

 視察した金本監督は納得顔だ。「ボール(の質)は上がっていると思う」と評価した上で、後半戦のキーマンにも指名。「特に9月なんか、どれくらい連戦になるか分からないけど、大車輪で中5日くらいでバンバン行ってくれたら、やっぱり大きい」と高い期待値を隠さなかった。

 指揮官によれば、前半戦終盤に藤浪を中5日先発させるプランがあったという。結局は雨天中止の影響もあって実現しなかったが、本来はエース格であるべき右腕への信頼度を下げるつもりはない。前半戦はわずか2勝どまり。それでも今季の2桁勝利到達に向けて「今から頑張ってチームに貢献すれば、前半戦の分を十分、取り返せる」と力を込める。

 現状、首位広島とは7ゲーム差。金本監督は最後、あらためて逆襲のキーマンに「藤浪とロサリオでしょう」と2人の名前をあげた。もちろん、本人は将の言葉を耳にするまでもなく、巻き返しへ気合をみなぎらせている。

 藤浪 2軍に落ちたりして、いい前半戦ではなかった。暑いのは嫌いじゃないし、どちらかと言えば好きな方。これまでは早い回でマウンドを下りて迷惑をかけた。後半戦はしっかりイニングを投げていきたい。

 後半戦初登板は17日か18日の巨人戦になる見込み。変身した姿を印象づけ、一気に救世主と化したい。【佐井陽介】