ヤクルトが「高校野球イズム」で上位に食らいつく。19日に神宮外苑で実施した投手と若手野手陣の練習で、75年夏の甲子園優勝投手でもある小川監督が打撃投手を務めた。打撃投手が休養日だったため、習志野(千葉)時代にエースとして全国制覇を達成した“剛腕”が5年ぶりに復活。猛暑により37度を超えるほど蒸し暑い神宮室内で、田代相手に約10分間、大きな投球フォームから右腕を振り下ろした。「もうちょっといけるな。明日、お尻がパンパンだと思うよ」と笑顔で額の大粒の汗を拭った。

 最下位ながら2位巨人とは4・5ゲーム差。上位をうかがうには、これ以上、引き離されるわけにはいかない。今日からは神宮で5位中日と3連戦。小川監督は「今の状況を考えると、高校時代の一戦も負けられないという思いは大事なことだと思う。そういう思いで、1戦1戦戦う」とトーナメント戦に挑むような一戦必勝を誓った。

 交流戦で最高勝率を達成した前半戦を8連敗で終えたが、後半戦はDeNAに2勝1敗と勝ち越しスタートを決めた。それでも「1試合、1試合、頑張るだけだよ」と星勘定はしない。ヤクルトが必死な戦いぶりで、セ・リーグの夏を熱くする。【浜本卓也】