日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナー(78)は27日、リプレー検証による誤審問題について、オリックスからのコミッショナー裁定を求めた提訴を受理せず、要望していた続行試合を行わないことを発表した。都内で球団側に文書を渡し見解を説明した。オリックス側が「確証のある映像がない場合は審判団の判断とする」と定めたリプレー検証制度第3条に違反すると主張した点については「確証ある映像があると認めて本塁打の判断を下した。(本件は)審判団の判断自体の誤りで同3条に違反したとは認められない」と説明。同制度ではリプレー検証による決定に異議を唱えることは許されないと定められている。野球規則やリーグアグリーメントで異議を唱えることが許されないと規定しているものについては、コミッショナー裁定を求められないため不受理の判断となった。

 オリックスは6月22日のソフトバンク10回戦の延長10回にリプレー検証によりファウルが本塁打に覆り敗れたが、試合後、審判団がファウルだったと誤審を認めていた。

 斉藤コミッショナーは「現在のルールではこういうジャッジをせざるを得なかった」とした上で「オリックスのチーム、選手、そしてファンの方々に多大なる不快な思いをさせてしまったことは謝りようがないくらい。大変申し訳ない」と謝罪。ルールについては「シーズンオフに見直さないといけない」とした。