「サントリードリームマッチ2018」(東京ドーム)に出場した阪神OBのランディ・バース氏(64)が、阪神ウィリン・ロサリオ内野手(29)に広角打法のススメ-。24日からの広島3連戦(甲子園)をTV観戦したというバース氏は、阪神打線の弱点を冷静に分析。ロサリオら虎打線の奮起を願った。

 先の広島3連戦をじっくりTV観戦したバース氏は、借金6の5位と苦しむ阪神の現状をシビアに分析した。

 バース氏 全体的にパワーが感じられなかった。自分の時は真弓、岡田、掛布がいたりして、自分の引退後はフィルダーが自分の代わりになった。(強い時期は)40本塁打を打つ一塁手がいた。外国人選手で打点を挙げる選手、ホームランをいっぱい打つ選手がいないので、それが(低迷の)原因だと思う。

 パワーに期待となれば、やはりロサリオだろう。不動の4番を期待され、球団助っ人最高額の年俸3億4000万円で入団したロサリオだが、不振で6月に2軍落ちも味わった。7月17日の再昇格後は本領発揮の兆しをみせつつも、ここまで打率2割4分1厘、7本塁打、30打点。バース氏が観戦した広島3連戦も10打数1安打に終わっていた。

 そんな悩める助っ人に浮上のヒントは? 日本一となった85年に打率3割5分、54本塁打、134打点で3冠王を獲得したバース氏は、「引っ張る選手が多いので投手は投げやすい。全部引っ張るんじゃなく、内角球は引っ張って、真ん中はセンターへ。広角に打つのを心掛けない限り、いいバッターにはなれない」ときっぱり。まずコースに逆らわない姿勢を見せて、相手投手の意識を変えさせる必要性を指摘した。浮上にはロサリオの爆発が欠かせない。栄光を知るバース氏の言葉で、逆襲の火を点けたい。【吉見元太】

 ◆バースも来日1年目は苦闘 83年に阪神入りし、ストローター、アレンと外国人枠2人を争った。初本塁打はチーム19試合目の5月7日ヤクルト戦。7月にオルセン投手が加入。当時は外国人の保有は1球団3人までだったため、シーズン中解雇の危機に陥ったが残留した。7月まで11本塁打も、8月以降に24本塁打を量産。真面目な性格も評価され、どうにか2年目の契約を勝ち取った。