第8回女子野球ワールドカップ(W杯=22~31日、米フロリダ州)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表(マドンナジャパン)が15日、成田空港で出発会見を行った。橘田恵監督は「日本は島国で平和だが、さまざまなアクシデントや予期せぬことが起きても動じないようにしたい」とアウェーの地での決戦に向けて意気込みを話した。

 マドンナジャパンが不動心で6連覇を狙う。出口彩香主将は「カナダの時もあったけど、全員で楽しむようにしたい」とアクシデントさえも味方にするつもりだ。12年のカナダ大会でのこと。宿泊先のエレベーターが止まってしまった。泊まっていた9階まで道具を持って上がった経験がある。「あの時も楽しんで上がった。何事も楽しみます。(フロリダは)ワニが出るそうなので、バットを持ち歩きます」と笑い飛ばした。

 2大会連続MVPの里綾実投手(28=愛知ディオーネ)は、壮大な目標を掲げた。「優勝して3大会連続MVPとなって、女子で初めて(米クーパーズタウンの)野球殿堂入りしたい」。5年ほど前、ニューヨークに遠征した際、米大リーグの野球殿堂を見学したことがある。「さすがに3大会連続なら考えてもらえるかも」と、レジェンド級の活躍で世界中の注目を集めるつもりだ。

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督も激励に訪れた。「気持ちを引き締めて。結束力を大切に。照明が暗かったとしたら連係が大事になる。みんなが言いたいことを言うように。ユニホームもアンダー世代から一緒。野球界一体となってやってほしい。女子野球が勝つことで、発信して、世界の女子野球人口を増やしてほしい」と願いを託した。

 渡米後は当地で5日間の調整を行う。大会はマウンドや打席を含め全面人工芝という異例の球場。環境や季候に慣れ、前人未到のV6へ向けて万全を期す。【斎藤直樹】