頼れる男が帰ってきた。日本ハム大田泰示外野手(28)が、48日ぶりに1軍出場を果たし、復帰後初安打を放った。同点の9回に代打で出場。空振り三振に倒れたが、延長11回の2打席目で魅せた。久保の3球目を引っかけ、三遊間へ飛んだゴロ。懸命に走り、一塁ベースに頭から滑り込んだ。「内容はどうであれ、安打が出てよかった」。気持ちでもぎ取った内野安打だった。

折れそうな気持ちを、つなぎ止めて、リハビリに向き合ってきた。前半戦終了間際、7月8日楽天戦で左手小指を骨折した。直後に初の球宴出場が決定するも、辞退を余儀なくされた。「野球をやりたくても、それが出来ない」。プロ10年目、移籍2年目で初めて、レギュラーをつかんだシーズン。1軍でフルシーズン戦うことも出来ただけに、挫折感もあった。「でも、気持ちだけはしっかり保たないと」。目標を軌道修正。リハビリに励んだ。

8月上旬に再開した打撃練習では、患部の痛みが再発した。めげずに誰より早く球場入りし、コンディションを整えてきた。優勝の望みは残っている。「ワンプレー、ワンプレー、優勝のためにやっていると思っている」。最後の最後まで、チームのために決して諦めない。【山崎純一】