広島が誇る3番丸佳浩外野手(29)4番鈴木誠也外野手(24)の強力コンビが今季最多タイの19安打、12度目の2桁得点の打線をけん引した。初回に丸が先制適時打を放ち、鈴木が26号2ラン。3回には連続適時打で計5打点を挙げた。今季2人が同時に打点を記録した試合は19連勝。広島は球団初の3連覇へのマジックを21に減らした。

プレーボールからわずか9分で試合の行方は決まったようなものだった。1回1死二塁から3番丸が巨人内海の低めに落ちる緩いカーブを引き付けて右翼前へはじき返し、先制。鈴木は直後の初球、外角低めのツーシームを右中間席に運んだ。今季3、4番コンビが同時に打点を挙げた試合は負けなし。19連勝と不敗神話は途切れなかった。

2人のバットで勢いづいた打線は、巨人内海を今季最短の2回2/3でKОした。3回で早くも2桁安打に到達。2人もそろって猛打賞を記録した。鈴木は8月の月間41安打として、球団記録に王手をかけた。「丸さんが打ってくれるので、楽な気持ちで打席に入らせてもらっている」。若き4番は頼れる先輩に感謝した。

今季はともに負傷離脱がありながら、復帰後は中軸に定着。2人で大きな得点源となり、他球団の脅威となっている。出塁率、長打率でリーグ1、2位を2人で独占。強打者の指標とされるOPS(出塁率+長打率)も、ともに超一流と言われる10割を超える。過去10年、セ・リーグでOPS10割超はDeNA筒香、ヤクルト山田哲ら7人(のべ9人)しかいない。

好調キープも、現状に満足しない。丸は遠征先の宿舎で行われる若手中心の素振りに参加。鈴木も宿舎の素振りだけでなく、球場入り後には全体のウオーミングアップよりも早めに体を温め、全体練習前にブルペンで打撃練習を行った。試合後も「課題はまだある。次のステップに行けるよう克服していきたい」と表情を引き締めた。

昨季唯一負け越した8月だが、今季は3試合を残して勝ち越しを決め、マジックを21に減らした。緒方監督は「すごい攻撃を最後までしてくれた」と攻撃陣をたたえた。コイの中軸を中心に、月間負け越しなしのまま球団初の3連覇へ突っ走る。【前原淳】